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おまとめローンと債務整理はどっちが賢い選択?

更新日:2024/06/20

  • おまとめローンと債務整理のどっちにするか迷っている・・・
  • 間違った選択をしたくない!!

多重債務で返済ができないかも...という状況なら、一度おまとめローンや 債務整理 といった方法を検討した方が良いでしょう。

そこで、借金の解消を実現するのは、どちらが賢い選択なのかは気になるところかもしれません。

どっちの選択が適切なのかを判断する為にも、おまとめローンと債務整理とのメリットとデメリットをしっかり理解することが大切です。

今回はおまとめローンと債務整理はどっちが賢い選択?と悩んでいる方に向けて詳しく説明していきます。

目次

  1. おまとめローンとは?
  2. 債務整理とは?
  3. おまとめローンと債務整理はどっちが賢い選択?
  4. おまとめローンの審査について
  5. まとめ
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おまとめローンとは?

おまとめローンと債務整理、どっちがよいのかを判断するために、まずは「おまとめローンとは何か??」について、おさえておきましょう。

おまとめローンのメリット

借金に苦しんでいる人の大半が多重債務となっています。

多重債務とは一般的に、2社以上のカード会社から借入を繰り返して、返済している状態のことを呼びます。

借金を返すために他のカード会社から借入をして、高い利息のために借金の総額が膨らんでいく...という苦しい状態です。

利用しているカード会社が4社5社と増えていくと、いつの間にかローンも、限度額ギリギリで借りては返すようになってしまいます。

この負のサイクルとなると、借金を通常のやり方で返済していくことは現実的に困難となります。

そのような状況で検討してほしい方法が「おまとめローン」です。

おまとめローンとは、複数ある借金をひとつのローンにまとめることが出来る方法で、低い金利にできるメリットがあります。

そうすることにより、より返済しやすいローンに再整理することが可能です。

おまとめローンのメリットを、下記に整理いたします。

低金利

おまとめローンの最大のメリットが、一般的なローンよりも、金利が低く設定されている点です。

もっとも現在の金利が低く、おまとめローンをしても金利が低くならないのであれば意味がないので、より低い金利のローン商品を模索した方がよいでしょう。

限度額が大きい

一般論としてローンを組む際、「年収の3分の1」が最大限度額の目安となります。

この審査基準は、サラ金でも、銀行系のカードローンでも同じです。

対しておまとめローンは、現在借り入れている複数のカード会社の借入総額を限度額として審査します。

言い換えれば、現在の借金総額が年収の3分の1を超えている人でも、おまとめローンにより返済が可能と判断されれば、審査が通る訳ですね。

多重債務でがんじがらめになっている人でも、おまとめローンを利用することで、経済的に立ち直るチャンスを得ることができます。

おまとめローンのカラクリ

おまとめローンは、「借金先の一本化」と「低金利になる」といった2つの大きなメリットがあるわけですが、なぜ、おまとめローン会社はこれらに対応するのかお分かりでしょうか?

基本的に、おまとめローンは、あなたが借金している1つの債権者もしくは他のローン会社のいずれかで行うわけですが、どこのローン会社もできる限り多くの貸し付けをしたいと思っております。

なぜなら、多く貸し付けた分、利息も多く得られるからですね。

  • A社:100万(12%の金利)
  • B社:80万(14%の金利)
  • C社:50万(15%の金利)
  • D社:30万(15%の金利)

上記の4社から借金していたとすると、例えばE社が全ての借金(合計260万)をまとめて更には金利を低くします(8%など)といった内容となり、あなたとE社はwin×winの関係となるわけです。

E社:新規の契約を獲得(利息で儲けられる)

あなた:金利が下がる


このような方程式が成り立つのです。

つまり、おまとめローンとは、数あるローン会社が競争の中で勝つための商品の1つというわけです。

おまとめローンを利用する方にとっては、「借金先の一本化」と「低金利になる」というメリットだらけですが、それでもローン会社を儲けさせるための利息はしっかりと発生することは忘れてはいけません。

おまとめローンにはデメリットもある?

いいこと尽くめに見えるおまとめローンですが、デメリットがない訳ではありません。

おまとめローンを使うことで、毎月の借金の負担を減らすことができますが、それにより返済期間が延びることが、最大のデメリットです。

借金全体の金利は下がるので、月々の返済額が下がって払いやすくなりますが、その分返済回数が増えてしまうのです。

つまり、おまとめローン前の借金よりも、返済総額は増えてしまう可能性があるので、注意が必要です。

一般的なローンよりも審査基準が厳しい

ここは注意してほしい点ですが、どのような状況でもおまとめローンの審査が通る訳ではないです。

たとえば、 多重債務があまりに大きく、どうやっても返済の目処が立たないようなケースでは、おまとめローンの審査も通らないと考えた方がよいでしょう。

審査を通すには、あくまで現実的に返済可能である、と判断される必要があります。

そのほかにも、収入や正社員のみ、等おまとめローンの商品の中には一定の条件が設けられていることが少なくありません。

多重債務を再開できてしまう

おまとめローンを利用すると、他のカード会社の利用限度額は増えます。

つまり 再び借金ができる状況となる可能性が出てくる 訳です。

そこで「また借りてみようかな...」などと魔が差して、多重債務を再開してしまう人もいるようです。

そうなってしまったら本末転倒なので、多重債務を再開しないように自制心をもつ必要があります。

債務整理とは?

債務整理とは、法的に苦しい借金の返済を軽減する方法です。

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3種類ありますが、あなたの経済状況や生活環境によってベストな方法は異なってきます。

各債務整理における効果は以下の通りとなっております。

  • 任意整理:将来利息のカットと返済期間の見直し
  • 個人再生:借金額を約1/5にまで減額
  • 自己破産:借金を全てゼロに

「債務整理とは?」を司法書士が分かりやすく解説

おまとめローンと債務整理はどっちが賢い選択?

おまとめローンと債務整理には、それぞれ長所と短所があります。

それらをしっかりおさえた上で、どっちが良いかを判断しましょう。

おまとめローンを選んだ方がよい人

おまとめローンを選んだ方が良い人とは、今の生活への影響が少ない方がよい、という人です。

というのも債務整理は借金を大幅に減額したり免除したりと強力な法的効果がありますが、反面ブラックリストに載ったり、財産を没収されたりするなどの、生活が大きく変わってしまうケースが少なくありません。

おまとめローンなら多重債務の総合的な金利が低くなったり、返済先と返済日が一本化する、無理のない返済計画を立てられるなど、メリットを受けられる一方で、債務整理のような生活への影響はありません。

ただし繰り返しになりますが、おまとめローンは金利が低くなるだけで、借金の元本が減るわけではないので、借金の総額が大きく増えるケースも考慮する必要があります。

債務整理を選んだ方がよい人

債務整理の最大のメリットは、

任意整理個人再生 の場合は借金の元本を大幅に減額できる可能性がある

自己破産 の場合は借金をチャラにできる

...です。

自己破産では財産を差し押さえとなりますが、任意整理や個人再生なら財産も残せる可能性もあります。

借金をすっきりさせて新しい生活をスタートしたい!という人には債務整理がお勧めです。

ただし、どの債務整理でも手続きをすればブラックリストに載るため、ローンやキャッシングができなくなります。

そのため、自動車やマイホームの購入、事業融資を受けることなどが、5年~10年ほど不可能になります。

ブラックリストの詳細はこちら

どっちが借金の減額が大きい?

おまとめローンと債務整理、どっちが借金の減額が大きいのでしょうか?

下記に比較してみます。

方法 減額・免除対象
おまとめローン 金利の低いローンに借り換えすることで、利息を減らして、月々の返済額を減らせる場合もある
債務整理 任意整理
  • 未払いの利息
  • 遅延損害金
個人再生
  • 未払いの利息
  • 遅延損害金
  • 将来利息
  • 元金の大幅減額
自己破産
  • 全ての借金

上記の表でも分かるとおり、借金の減額、免除対象は、債務整理の方がずっと多く、額も大きいです。

おまとめローンでは、金利の低いローンに借り換えして返済計画を延ばすことで、借金苦を軽減するだけの効果しかありません。

どっちが利用しやすい?

次に、どっちが利用しやすいのか?利用可能な条件について、それぞれ比較します。

方法 減額・免除対象
おまとめローン おまとめローンの商品の最小返済額で返済ができること
債務整理 任意整理
  • 安定した収入と返済能力
  • 合意した計画通りに返済を続けられること
個人再生
  • 安定した収入と返済能力
  • 減額された額の返済計画を裁判所に認められること
自己破産
  • 裁判所に「自力での返済は無理」と認められること
  • 7年以内に免責をうけていない

おまとめローンの条件は、おまとめローン商品のローンを返済可能か?という1点につきます。

一方債務整理については、任意整理と個人再生は返済計画通りに返済できる能力があるかどうか?が問われ、それができない場合は交渉が決裂したり、利用が認められない場合があります。

自己破産も「自力での返済は難しい」ということを司法書士に依頼して裁判所に認めさせない限り、手続きが利用できません。

どっちが返済期間が長い?

どっちが返済期間が長いか?について、それぞれを比較します。

方法 返済期間
おまとめローン 金融業者により異なる(最長10年程度)
債務整理 任意整理 およそ3〜5年・分割で借金の元本だけを返す
個人再生 およそ3〜5年・分割で借金の元本だけを返す
自己破産 借金を払わない

おまとめローンは金融業者により期間が異なりますが、3年などの短期間がマストになることはほとんどありません。最長10年間、という商品もあるくらいなので、返済期限については債務整理よりも長いです。

債務整理のうち、任意整理と個人再生の場合は、借金の減額後、原則3~5年で返済していくことになります。

認められた返済期間によっては、3年など短期間かつ、月々の返済額が増額することもあります。

おまとめローンはブラックリストにならない

ブラックリストへの影響について、それぞれを比較します。

方法 ブラックリストへの影響
おまとめローン なし
債務整理 任意整理 5年間はブラックリストの載る
個人再生 5~10年間はブラックリストの載る
自己破産 5~10年間はブラックリストの載る

上記の通り、おまとめローンを組んでも、ブラックリストにはなりません。
債務整理については、どの手続きでも5年~10年間はブラックリストに事故情報が記録されることになる可能性があります。

マイホーム購入などの、大きな買い物は当面できなくなると考えた方がよいでしょう。

費用で比較すると?

それぞれにかかる費用を比較いたします。

方法 費用
おまとめローン なし
債務整理 任意整理 司法書士などへの費用がカード会社1社あたり3~5万円
個人再生
  • 裁判費用が30万円程度
  • 司法書士などへの費用が20万円程度
自己破産
  • 裁判費用が同時廃止:3万円程度、管財事件:25万円程度
  • 司法書士などへの費用が30万円程度

おまとめローンでは、手続き費用はナシです。
対して、債務整理の場合は、手続きの費用がかかります。どの手続きでも司法書士などの専門家への依頼が前提となり、その費用は数十万円程度が相場となります。

どっちを選べばよいか?の目安

ここでは、「こんな人であればおまとめローン、こんな人であれば債務整理が良い...」という目安について、下記にて整理いたします。

おまとめローンがよい人

それでは、おまとめローンが向いている人はどんな人でしょうか?

①現在の借金の金利を下げたい

②借金を一本化して手間を省きたい・整理したい

③月々の返済額を減額させたい

...このようなニーズとなります。

借金の一本化については、カード会社が複数あると煩雑になるので、返済を一本化して分かりやすく整理したい、管理したいという人にはうれしいメリットです。

支払い期間は長くなるのですが、その分、月々の返済額はより小額となるので、返済で家計が大変だったり、任意整理や個人再生では、返済する自信がない人にもお勧めです。

おまとめローンが向いていない人

おまとめローンが向いていない人は、返済計画とおりに返済できない、だらしがない人です。返済期間が長くなり、また借金を再開するなど、かえって状況を悪化させる可能性もあります。

返済するお金の余裕が全くない人も、向いていません。きちんと返済できる為の安定した収入がないと、毎月の返済額が減ったとしても無駄となるでしょう。

債務整理がよい人

債務整理が向いている人はどんな人でしょうか?

①とにかく借金問題を解消したい

②返済に追われて生活が破綻しかけている

③返済計画が立たない

④滞納金がある

⑤収入が大きく減ってしまい返済が難しい

...このようなケース

多重債務問題を一気にカタをつけたいというのであれば、債務整理が良いでしょう。債務整理を行えば、借金問題を根本的に解消できる可能性が高いです。

もっとも債務整理にも任意整理、個人再生、自己破産の3つの手続きがあり、どれが適切かは司法書士などの専門家に相談して、慎重に検討する必要があります。

おまとめローンと債務整理のどっちかに絞るべき?

ここまでの時点で「ならば、最初におまとめローンをやってみて、それでウマクいかなかったら債務整理をすればいいや!」...等と考える人も少なくないでしょう。ですが、おまとめローンと債務整理はどっちかに絞るべきです。

というのも、いったんおまとめローンをして、それがうまくいかず債務整理をすると、話をこじれさせてしまう可能性があるのです。

例えば任意整理にしても個人再生にしても、手続きをする前にこれまでの取引履歴をさかのぼって借金の調査をしなければなりませんが、おまとめローンをしてしまうと大変に困難になります。

このため手続きがスムーズに進まず、費用がかさむことにもつながります。このような失敗を回避するためにも、おまとめローンをする前に司法書士などに相談することもお勧めします。

そしてやるなら、おまとめローンと債務整理のどっちかに絞った方が、かえってメリットが大きいのです。

おまとめローンの審査について

おまとめローンは、多重債務問題を解決することも主眼としてローン商品なので多重債務者でも審査には通りやすくなっています。

ですが、通常のカードローンと同じく、あなたの収入や住居、家族構成などの属性も考慮されますし、ケースによっては審査が通らないこともありえます。

ここでは、おまとめローンの審査に通るための一般的な条件を整理します。

ブラックリストではないこと

ブラックリストとは、過去に借金の滞納や、踏み倒し(債務整理)、カードの利用規約の違反などで、信用情報機関に事故情報が登録されている状態です。

こうなっていると、審査落ちすることになるでしょう。

なおこの事故情報は、保有期間(5~10年)を過ぎれば削除されるのですが、それまではおまとめローンは利用できません。

利用しているカード会社が多すぎないこと

あまりに多くのカード会社から借金をしている場合は、審査が通りにくくなります。一般論ですがカード会社5社以上だと、審査が厳しくなるといわれています。

事前にとれる対策としては、すぐに借金を完済できるのであれば、完済してしまいましょう。

そうして、なるべく借入をしているカード会社を少なくした後に、おまとめローンの審査を受けることをお勧めいたします。

借金額が大きすぎないこと

おまとめローンは融資限度額に余裕があるローン商品ですが、現在の多重債務の総額が、現在の収入に比して大きすぎる場合は、審査も通りにくくなります。いくらなんでも現実的ではない、と判断されるケースですね。

それと、多重債務を一本化して、返済に専念することが目的なのですから、それ以上の金額を希望しないようにするのがベターです。

どこのカード会社でもおまとめローンを審査しても通らない...ということは、現在の収入では借金返済は現実的ではないということですね。

それならば、債務整理も視野に、再検討しましょう。

まとめ

おまとめローンで借金を一本化することで、多重債務の返済が楽になる可能性があります。

一方、債務整理で借金を大幅に減額したり、免責を受けたりしたほうが、長い目で見れば、メリットが大きいという場合もあります。

どっちがベストな選択なのかは、あなたの経済状況や生活環境によって異なってきますので、司法書士に相談するようにしましょう。

監修者:みどり法務事務所 札幌駅前事務所
代表司法書士
鈴木 健太
札幌司法書士会所属
会員番号 第823号|認定番号 第843020号

借金のお悩みはなかなか一人では解決できるものではありません。そのために私たちがいます。皆様のお話をお伺いし、できる限りのお手伝いをいたします。

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